英語の基本は文法だ!仮定法を使いこなそう!1回目
仮定法は日本語にない表現なので、そのポイントをしっかり理解すると、より英語への理解が深まります。今回のポイントは3つあります。
1.助動詞の過去形こそが【仮定法】だ!
2.仮定法の公式をしっかり覚える!
3. If の省略による倒置を覚える!
順番に確認していきましょう。
英語仮定法・助動詞の過去形こそが仮定法だ!
仮定法とは何かというと、ただ今現実離れして「妄想中です!」という宣言なんです。まずこれが一つ。
次に、仮定法の目印は「If」(もし~)ではない! ということです。If はあり得ない「妄想」だけでなく、「もし明日雨降ったらピクニックに行くの止めよう」といった、現実として十分あり得ることにも使います。実際、そっちの方が多く使われたりします。じゃあ目印は何か?
仮定法の目印は、助動詞の過去形だ!
would、could、might、should、の4つになります。特に重要なのは、「would」「could」の2つです。そしてネイティブがこの2つが使う時、ほぼ90%は仮定法だと思って間違いありません。たとえば、
■Will you close the window?
『窓を閉めてくれる?』
『窓を閉めてくれる?』
Will なら「~してくれ」といった命令的なニュアンスを含みます。
■Would you close the window?
『よろしければ、窓を閉めてくれませんか?』
『よろしければ、窓を閉めてくれませんか?』
ここでの would は単なる will の過去形ではありません。 would があればほぼほぼ仮定法なんですから、ここで「もしよろしければ」という仮定のニュアンスが出て丁寧な依頼表現になるんです。これが仮定法の基礎基本です!
英語・仮定法の例文をしっかり覚える!
公式を覚えただけでは、まだまだ自由に仮定法を使いこなすことは出来ません。しかし、仮定法の土台となるものなので、しっかりその「形」というのを覚える必要があります。
英語・仮定法過去
If S [過去形] , S would [動詞原型]
※主節は、would の代わりに could 、might 、should でもOK。
■ If I were a little younger , I would ask her for a date.
『もし私がもう少し若いなら、彼女をデートに誘うのに。』
『もし私がもう少し若いなら、彼女をデートに誘うのに。』
If 節の中で「過去形」を使うため、「仮定法過去」と呼ばれます。「今の妄想」なので、訳す時には現在にします。見た目過去、意見は現在です。「今もう少し背が高かったら、今こうだったのに」「今もう少し財布にお金が入っていたら、今こうだったのに」みたいな今から今へのイメージです。
【大学入試問題1】空欄に入る最も適切なものを選べ。
■ If I had a lot of money, I ( ) a yacht.
1.buy 2.bought 3.will buy 4.would buy
■ If I had a lot of money, I ( ) a yacht.
1.buy 2.bought 3.will buy 4.would buy
had があるので、これこそ今の妄想ですね。「今もう少しお金があったら、ヨットを買うのに」なので、答えは「4」の would buy になります。
英語・仮定法過去完了
If S [had + p.p.] , S would [have + p.p.]
※主節は、would の代わりに could 、might 、should でもOK。
■ If we had left home before five, we could have made it in time for the six o'clock bus.
『もしも5時に家を出ていたら、6時のバスに間に合っていただろう。』
『もしも5時に家を出ていたら、6時のバスに間に合っていただろう。』
If 節の中で「過去完了形(had + p.p.)」を使うため、「仮定法過去完了」と呼ばれます。「過去の妄想」なので、意味は過去になります。見た目過去完了、意味は過去です。「あの時こうしとけば、あの時こうだったのに、、、」過去から過去へというイメージ。誰にでもありますよね。
【大学入試問題2】空欄に入る最も適切なものを選べ。
■ If I had prepared for the exam, I ( ) have passed it.
1. can 2. could 3. need to 4. will
■ If I had prepared for the exam, I ( ) have passed it.
1. can 2. could 3. need to 4. will
If 節がまさに「過去完了形(had + p.p.)」になっています。主節が、S would [have + p.p.] になるはずです。探すと would はありませんが could がありました。「2」が正答ですね。
【大学入試問題3】空欄に入る最も適切なものを選べ。
■ ( ), the picnic would have been canceled.
1. If it would have been raining for another 5 minutes
2. If it rained for another 5 minutes
3. If it would rain for another 5 minutes
4. If it had rained for another 5 minutes
5. If it was raining for another 5 minutes
■ ( ), the picnic would have been canceled.
1. If it would have been raining for another 5 minutes
2. If it rained for another 5 minutes
3. If it would rain for another 5 minutes
4. If it had rained for another 5 minutes
5. If it was raining for another 5 minutes
主節が、 S would [have + p.p.] になっているので、If S [had + p.p.] を探します。正答は、「4」です。簡単ですね。
英語・仮定法混合文(仮定法過去完了+仮定法過去)
If S [had + p.p.], S would [動詞原形]
※主節は、would の代わりに could 、might 、should でもOK。
■ If I had worked harder in my twenties, I would be much richer now.
『もし20代の頃頑張って働いていたら、私は今もっとお金持ちなのに。』
『もし20代の頃頑張って働いていたら、私は今もっとお金持ちなのに。』
If 節が「過去完了形(had + p.p.)」で、主節が「S would have p.p」ではなく「S would [動詞原形]」になるパターンです。「過去の妄想」が今につながるイメージです。「あの時こうしとけば、今(now)こうだったのに」過去から今へというパターンです。
【大学入試問題4】空欄に入る最も適切なものを選べ。
■ If I had taken the medicine then, I ( ) fine now.
1.am 2.might be 3.may be 4.might
■ If I had taken the medicine then, I ( ) fine now.
1.am 2.might be 3.may be 4.might
then がポイントです。「あの時」と過去の妄想なので「If S+ had + p.p.」が使われています。さらに主節に now があるため、過去から今につながる妄想とわかるので、 would [動詞原形] を探します。would はありませんが might be があるので、答えは「2」です。
【大学入試問題5】空欄に入る最も適切なものを選べ。
■ If he ( ) a computer last year, Heʼd still be using his old typewriter.
1. shouldnʼt buy 2. wouldnʼt buy
3. hadnʼt bought 4. havenʼt bought
■ If he ( ) a computer last year, Heʼd still be using his old typewriter.
1. shouldnʼt buy 2. wouldnʼt buy
3. hadnʼt bought 4. havenʼt bought
主節がwould 原形なので、仮定法過去と判断しがちですが、if 節にlast year (去年)があるので、仮定法過去完了「過去の妄想」だと分かります。正答は「3」になります。「去年コンピューターを買っていなかったら(過去)、まだ古いタイプライターを使っていただろうに(現在)」という意味です。
英語・仮定法未来
① If S should [動詞原形], S would [動詞原形](又は命令文)
② If S were to [動詞原形], S would[動詞原形]
※主節は、would の代わりに could 、might 、should でもOK。
■ If our son should need our help, he would call us.
『もし息子が私たちの助けを必要とすることがあれば、電話してくるだろう。』
『もし息子が私たちの助けを必要とすることがあれば、電話してくるだろう。』
■ If you were to win the lottery, what would you do?
『もし宝くじに当たるようなことがあったら、あなたはどうする?』
『もし宝くじに当たるようなことがあったら、あなたはどうする?』
If 節が、「should + 動詞原形」又は「were to + 動詞原形」になるパターンです。「未来の妄想」なので、意味は未来になります。未来から未来へつながるイメージで、とにかく未来の妄想は「should」や「were to」使うと覚えましょう。
ただ、この2つには次のようなニュアンスに違いがあるので、しっかり使い分けてくださいね。
① should :基本的に「あり得ない時」。ただごくわずかな可能性はあるので、まったく不可能な場合には使えない。
② were to :実現可能性の有無にかかわらず「完全に妄想の世界」。絶対に不可能な場合こちらを使う。
英語・仮定法・should
ここでネイティブ発想です。未来の事は基本的に言い切れませんよね。1時間後、1日後にどうなってるかなんて誰もも分かりません。
例えば「家に飛行機が突っ込んでくる」なんて普通に考えればあり得ませんが、100%完全に否定はできません。こんなときに If 節に使うのが「should」なんです。
■ If you should see May, ask her to call me.
『もしメイに会うことがあったら、私に電話するよう言ってね。』
『もしメイに会うことがあったら、私に電話するよう言ってね。』
言外に「メイに会うなんてことは、ほぼ99 %ないと思うけど」くらいのニュアンスがネイティブ感覚なんです。
又この場合、主節を命令文にすることがほとんどです。命令文なので、主節に仮定法の目印 would(助動詞の過去形)がなくなってしまいます。大学入試問題で見てみましょう。
【大学入試問題5】空欄に入る最も適切なものを選べ。
■ If you ( ) have any other questions, please do not hesitate to contact us.
1. should 2. will 3. could 4. must
■ If you ( ) have any other questions, please do not hesitate to contact us.
1. should 2. will 3. could 4. must
主節が命令文になっていますね。if 節で、この場所に置ける助動詞は1つだけ。正答は「1」の should です。「質問などほぼ99%ないと思うけど万が一あったら」といったニュアンスになります。
ただ、If 節を条件を表す副詞節と考えるなら助動詞はいりません。If you have any other question, please~ なら、「もし将来何か別の質問が出てきたら」といった未来のニュアンスに変わります。
were to
こちらは、あり得る・あり得ないにかかわらず完全妄想!were to は、「今変なこと言ってるよ」っていう目印。ですから主節には、かならず仮定を表す would (助動詞の過去形)がきます。
■ If the sun were to rise in the west, I would change my mind.
『もし太陽が西から昇るようなことがあったら、私は考えを変えるだろう。』
『もし太陽が西から昇るようなことがあったら、私は考えを変えるだろう。』
太陽が西から昇るなんてあり得ないですね。
英語・仮定法・If 省略による仮定法の倒置を覚える!
If の省略は、日常的に非常に多く使われる表現になります。
If を省略するかわりに、その目印に Were, Had, Should を前にもってきて(倒置)見た目が疑問形になります。倒置されても、意味はまったく変わりません。
これが仮定法過去の倒置です。
【Were S, S would 原形】
【Were S, S would 原形】
■Were I you, I would ask her for a date.
『もしも僕が君なら、彼女をデートに誘うのになあ。』
『もしも僕が君なら、彼女をデートに誘うのになあ。』
次が、仮定法過去完了の倒置です。
【Had S p.p. , S would have p.p.】
【Had S p.p. , S would have p.p.】
■Had he known the result earlier, he would have done it for you.
『もし彼が結果をもっと早く知っていれば、それをあなたのためにしていたでしょう。』
『もし彼が結果をもっと早く知っていれば、それをあなたのためにしていたでしょう。』
大学入試問題です。
【大学入試問題6】空欄に入る最も適切なものを選べ。
■He would have come ( ) he been invited.
『もし彼が招待されたら、彼は来ただろう。』
1.if 2.had 3.should 4.when
■He would have come ( ) he been invited.
『もし彼が招待されたら、彼は来ただろう。』
1.if 2.had 3.should 4.when
省略される if 節が後ろに来るパターンです。
最後に、仮定法未来の倒置です。
【Should S 原形, please~(命令文など)】
【Were S to 原形, S would 原形】
【Should S 原形, please~(命令文など)】
【Were S to 原形, S would 原形】
■Should you need any help, let me know.
『何か助けが必要なら、知らせてね。』
■Were an earthquake to occur, we would have to take immediate action.
『もし地震が起こるようなことがあれば、』
『何か助けが必要なら、知らせてね。』
■Were an earthquake to occur, we would have to take immediate action.
『もし地震が起こるようなことがあれば、』
いろいろなパターンがありますが、覚えてしまえば簡単です。繰り返し見て覚えましょう。
【英語文法4・仮定法2】仮定法なんて楽勝!IFなし仮定法や慣用表現で自由自在!
書店に溢れる、どんな文法書よりもわかりやすい文法解説を目指すシリーズの4回目は仮定法の2回目です。仮定法のキモは、IFなし仮定法や、Ifの代用や慣用表現になります。これを覚えると仮定法を自由自在に使えるようになりますよ!