【英語文法9・動名詞】動名詞を使いこなす!ネイティブ発想で暗記は必要なし!

英語 文法

英語の基本は文法だ!動名詞を使いこなす!

書店に溢れる、どんな文法書よりもわかりやすい文法解説を目指すシリーズの9回目は、動名詞です。暗記だけに頼らない、英語圏の文化的背景を含めたネイティブ発想で一気に英文法を極めます。ぜひ、英語の学び直しや大学受験の準備に本シリーズをご利用いただければ幸いです。

動名詞は従来の文法では丸暗記でした。しかし本当に大切なのは、動名詞のイメージをしっかりつかむことです。その上でバリエーションと慣用表現を覚えると、自由に動名詞を使いこなすことができるようになります。

動名詞をとる動詞のイメージとは?

動名詞のイメージは3つあって、どちらかというと後ろ向きで暗いイメージになります。ここが前向きで未来志向の不定詞と違うところです。では、後ろに動名詞(~ing)をとる動詞を順に見ていきましょう。暗記は必要ありませんよ。

【英語文法7・不定詞1】不定詞の本当の意味とは?未来志向で明るヤツなんです!
書店に溢れる、どんな文法書よりもわかりやすい文法解説を目指すシリーズの7回目は、不定詞の1回目です。不定詞は、時制や仮定法なんかと比べると意味に深みがなくて超簡単なんです。ポイントはたった3つです!

動名詞のイメージ1【反復】

① enjoy 「楽しむ」
② practice 「練習する」
③ look forward to –ing 「~するのを楽しみに待つ」
④ mind 「気にする」
⑤ imagine 「想像する」
⑥ consider 「考える」
⑦ be(get) used to –ing 「~することに慣れている」

①~②「楽しむ」も「練習する」もすべて、何回も反復するものです。残りの③~⑦もすべて、頭の中で何回も何回もグルグルと反復する動詞です。「楽しみに待つ」も、それが実現するまで頭の中で繰り返し待つわけです。「あ~これ反復だな」と思ったら後ろに動名詞を使う、これがネイティブ感覚なんです。

He will soon get used to reading a book carefully.
『彼は、本を注意深く読むことにすぐに慣れるだろう。』
He doesn't mind helping his father.
『彼は、父親を手伝うのを嫌がらない。』
I am looking forward to seeing you again.
『あなたに再び会うのを楽しみにしています。』

動名詞のイメージ2【中断】

次も暗記ではなく、イメージで見ていきます。

① stop 「やめる」
② quit 「やめる」
③ give up 「あきらめる」
④ finish 「終える」
すべて中断ですね。すべて挫折した感のある暗い単語です。finish は挫折感はありませんが、最後まで行ってし終えてしまった、もっとやりたかったけど終わってしまった(中断した)イメージでとらえてください。「あ~これ中断だな」と思ったら後ろに動名詞を使います。
Stop behaving like a child, you're eighteen years old.
『子供のような振る舞いはやめろ。お前は18才なんだぞ。』
You should think about giving up smoking.
『あなたは、タバコをあきらめることを考えるべきだ。』

動名詞のイメージ3【逃避】

① miss 「逃す」
② avoid 「避ける」
③ escape 「避ける」
④ help 「避ける」
※ cannot helpの形で使われる。
⇒ 「避けることができない」「しょうがないだろ」の意。
⑤ put off 「延期する」
⑥ postpone 「延期する」
⑦ object to –ing 「反対する」
⑧ be opposed to –ing 「反対する」
⑨ deny 「否定する」
⑩ resist 「抵抗する」
逃避の「逃(す)」で miss 、さらに逃避の「避(ける)」で avid と escape と help、現実逃避と考えて「延期する」でput off と postpone 、 目の前にあることから目をそらす現実逃避と考えて「反対する」object to ~ing と be opposed to ~ ing、「否定する」も「抵抗する」も同じく現実逃避と考えて「否定する」deny「抵抗する」resist など、あ~これ消極的なイメージの「逃避だな」と思ったら後ろに動名詞を使う訳です。
You don't have to avoid making noise when you eat Japanese noodles.
『あなたは、日本の麺類を食べるときに音を出すことを避ける必要はない。』
They have put off announcing the results until the end of the month.
『彼らは、その結果を発表するのを月の終わりまで延期している。』

動名詞と不定詞を両方とる動詞とは?

動名詞 ~ing が「過去」を表す、to不定詞は「未来」

to不定詞と~ing動名詞の両方とる動詞があります。イメージは、to不定詞は「未来~ing動名詞は「過去と覚えます!

◆ remember to~ 「(これから)~するのを覚えている」
◆ remember ~ing 「(過去に)~したのを覚えている」
Please remember to turn off the light before you go to bed.
『どうか寝る前に電気を消すのを忘れないでくれよ。』
「寝る前」は「これから」起こることなので to不定詞を使います。もしもここで ~ing動名詞を使うと「どうか寝る前に「昔」電気を消したのを忘れないでくれよ。」と意味不明の呼びかけになってしまうので注意して下さいね。
I don't remember meeting you befor. Have we?
『以前あなたにお会いしたことがあるか覚えてないんですが。ありましたっけ?』
これは逆に、beforを使って「以前すなわち過去」の話をするんですから、~ing動名詞を使うことになります
◆ forget to~ 「(これから)~するのを忘れる」
◆ forget ~ing 「(過去に)~したのを忘れる」
Don't forget to meet him.
『彼に会うのを忘れないでね。』
これからの未来に彼に会うわけです。だから不定詞。
I'll never forget meeting him.
『彼に会ったことを決して忘れません。』
「過去に」彼に会ったことを忘れないと言いたいなら、当然動名詞なわけです。
◆ regret to~ 「(これから)~したら後悔する」
⇒「残念ながら~する」
announce, inform, learn(分かる), say, see, tell など情報をやり取りする動詞に限定。
regret の主語は、「I」又は「We」を使います。
◆ regret ~ing 「(過去に)~したのを後悔する」
I regret to inform that we must reject your offer.
『残念ながら、あなたのお申し出をお断りしなければならないことをお知らせします。』
直訳すると、「これから~を inform(知らせたら)後悔します」。「後悔する」と言い切っているわけですから、たいへんやむを得ないニュアンスとなり「残念ながら...」という訳が出てくるんです。
I regret rejecting his offer. 
『私は、彼の申し出を断ったことを後悔しています。』
こちらは単なる過去の事実を悔やんでいるイメージです。

動名詞 ~ing が「過去」又は「現在の行動を」を表す

やはりイメージは、to不定詞は「未来~ing動名詞は「過去と覚えます!

◆ mean to~ 「(~する意図がある) ⇒ ~するつもり」
◆ mean ~ing 「~という意味だ」
I'm sorry, I didn't mean to (say that).
『すみません。そう言うつもりはなかったのですが。』
前言を詫びて、使われるフレーズですね。「ごめんごめん、そういうつもりじゃなかったんだ!」みたいなイメージですね。最後の say that は省略される場合が多いです。
Failing the examination means waiting for another year.
『試験に落ちると、もう1年待つことになる。』
これは説明の必要はありませんね。主語=動名詞(現在の行動)です。
◆ stop to~ 「(立ち止まって)~する」
⇒ 直訳(~するために立ち止まる) 
「~のために」不定詞の副詞的用法(未来)
◆ stop ~ing 「~するのをやめる」(現在の行動)
She stopped talking pictures.
『彼女は、写真を撮るのをやめた。』
She stopped to talk pictures.
『彼女は、写真を撮るために立ち止まった。』
◆ try to~ 「 ~しようとする」(未来)
◆ try ~ing 「試しに~してみる」(現在の行動)
Tom tried to lift the rock, but he couldn't.
『トムはその岩を持ち上げようとしたが、彼はできなかった。』
Tom tried lifting the rock and found it was not very heavy.
『トムはその岩を(試しに)もち上げてみたが、それがそれほど重くないことがわかった。』

動名詞の否定形は?

とても簡単です!動名詞の否定形は、not(や never ) を ~ing の前に置くだけでOKです。
I believe in never telling lies.
『私は嘘をつかないことは良いことだと信じている。』
He insisted on not going there alone.
『彼はそこに一人では行かないと言い張った。』

動名詞の意味上の主語とは?

これも簡単です!動名詞の意味上の主語、すなわち「誰が~ingするのか」は、所有格を ~ing の前に置くだけでOKです。例外として、長い単語の場合は目的格かそのままの形の名詞が置かれる場合がありますが、基本は所有格でOKです。
もちろん、~ing の前に何もなければ、動名詞の意味上の主語と文の主語は同じになります。
My brother doesn't like my riding his bicycle.
『私の兄は、私が彼の自転車に乗るのが好きではない。』
兄は、私が兄の自転車に乗るのが好きじゃないんです。ところが意味上の主語がなくたったのが次の文です。
■ My brother doesn't like riding his bicycle.
『私の兄は、彼の自転車に乗るのが好きではない。』
今度は、「兄は自分が自電車に乗るのが好きじゃない」と意味が変わるんです。
I'm sure of our team winning the game.
『私は、我々のチームがそのゲームに勝つことを確信している。』
 こんなふうに、長めの名詞が意味上の主語として使われる場合もあります。

動名詞の完了形とは?

主節の動詞より、ひとつ前の時制を表現したいときには「 having + p.p.」を使うだけです。
I'm ashamed of my team having lost the game.
『私は、私のチームがその試合に負けたことを恥ずかしく思っています。』
恥ずかしく思っているのは「現在」で、試合に負けたのは「過去」なので、このような言い方をします。では、大学入試問題をいくつか見てみましょう。
【大学入試問題1空欄に入る適語を選べ。
■ My sister insisted (   ) the problem by myself.
1. me to solve 2. on me to solve
3. on my solving 4. that I should be solved
insisit on で「言い張る」という意味の動詞なので「2」「3」に絞られます。さらに前置詞の後は動名詞しかあり得ないので正答は「3」ですね。my は solving の意味上の主語になります。
【大学入試問題2空欄に入る適語を選べ。
■ Iʼm not proud of (   ).
1. my family being rich 2. my family are rich
3. my family is rich 4. my family be rich
この問題も of があるので、その後ろに来るのは動名詞になります。my family が動名詞の意味上の主語になるわけです。正答は1」ですね。「私は、自分の家族が金持ちであることを誇りに思っていない。」といった意味ですね。
【大学入試問題3空欄に入る適語を選べ。
■ Iʼm sorry for (   ) your e–mail sooner.
1. not to answer 2. not having answered
3. not to have answer 4. no answering

全体の意味としては、現在「ごめんね」という気持ちがあって、じゃあ何に対してかと言うと、「すぐにメールを返さなくて」となって一つ前の時制である過去が読み取れます。それなら having p.p. を使えばいいわけで、正答は「2」となります。

動名詞の重要表現をしっかり覚えよう!

動名詞の重要表現その1

動名詞の慣用的な重要表現は、コツコツ1つ1つ覚えて使えるようにしていきましょう。これも単なる暗記ではなく、意味を確認しながら覚えていくとよいです。

◆ It goes without saying that ~ 「言うまでもなく~」
= needless to say(不定詞の慣用表現)
◆ feel like ~ing 「~したい」
◆ on ~ing 「~するとすぐに」
It goes without saying that she knows much about science.
『言うまでもなく、彼女は科学についてよく知っている。』
「that 以下と言うことなしに状況は進んでいく」すなわち「言わなくたって彼女のようすを見たら分かるよね」みたいなニュアンスで、「言うまでもなく」という訳が出てくるんです。
■What do you feel like having for dinner?
『夕食に何食べたい?』
「What do you want to~」「What would you like to~」と同じ意味で、けっこうネイティブの皆さん使います。ぜひ覚えて表現の幅を広げましょう。
On seeing police officer, he panicked. 
『警察官を見たとたん、彼はうろたえた。』
「 on ~ing 」の [ on ] は、接触を意味する前置詞です。ですから、~ing という行為と「接触」しているわけなので、「~ing をするとすぐに、~ing をしたとたん」といった意味が出てくるんです。
◆ in ~ing 「~するときに」
◆ It is no use(good) ~ing 「~しても無駄だ」
I slipped in getting off the bus.
『私は、そのバスを降りるときに、すべった。』
It is no use worrying about the past.
『過去の事をくよくよしても無駄だ。』
この文の use は名詞で「効果」という意味で、「~ing する効果がない」なので「~しても無駄」という意味が出てくるんです。
◆ There is no ~ng 「~できない」
◆ cannot help ~ing 「どうしても~してしまう」
= cannot but 原形 / cannot help but 原形
There is no knowing what will happen in the future.
『将来何が起こるかわからない。』
これはもともと、[ There is no way of ~ing ](~する方法がない) の省略形なんです。なので、 通常動名詞を否定する not ではなく no になっているわけです。
①I cannot help crying when I hear that song.
『私はあの歌を聴くと、どうしても泣かずにはいられない。』
②= I cannot but cry when I hear that song.
③= I cannot help but cry when I hear that song.
②は「cannot (choose) but (to) do」のカッコ内が省略なんです。「~ること以外選ぶことができない」という意味から転じた訳です。③は、①と②が混ざってしまった形です。アメリカ口語では、①が一般的です。
◆ need ~ing 「~される必要がある(受け身)」
= need to be 過去分詞
This shirt needs ironing.
= This shirt needs to be ironed.
『直訳:このシャツは、アイロンをかけられる必要がある。』
This shirt が ironing の目的語の働きをすることになるわけです。
◆ be worth ~ing 「~する価値がある」※worthは前置詞です。
◆ of oneʼs own ~ing 「自分で~した」
The museum is worth visiting.
『その美術館は、訪れる価値がある。』
実はworth は「前置詞」なんです。ですから後ろに動名詞が来るのは当たり前ですね。
Tom has a house of his own making.
『トムは、彼自身で作った家を持っています。』
his が making の意味上の主語、of が a house にかかる性質を表す of なので、「彼自身が作ったという性質を持った家」という意味になります。

動名詞の重要表現その2

◆ be busy [in] ~ing 『~するのに忙しい』
◆ spend 時間・お金 [in・on] ~ing 『~することに時間・お金を費やす』
◆ have difficulty [in] ~ing 『~するのに苦労する』
 <trouble/a hard time>
◆lose no time [in] ~ing 『すぐに~する』
◆be careful [in] ~ing 『注意して~する』
こちらは、分詞構文とのからみで前置詞が省略されるパターンです。分詞構文のところでもう一度ふれますので、ここでは「こんな慣用表現があるんだ」くらいに押さえておいてください。

動名詞の重要表現その3 to ~ing(1)

最初は、動名詞の3大イメージ「反復」「中断」「逃避」でOKです。「~に慣れている」「~に慣れる」ということは繰り返しの反復ですから~ing がくるわけです。get になると動作が強調されるので、「~に慣れる」という意味に変わります。「~ing することに慣れることゲットした」といった意味が出てきます。

◆ be used to ~ing
= be accustomed to ~ing 『~に慣れている』
◆ get used to ~ing
= get accustomed to ~ing 『~に慣れる』
The boy is used to making his own breakfast.
『その少年は、自分自身の朝食を作ることに慣れている。』
The boy got used to making his own breakfast.
『その少年は、自分自身の朝食を作ることに慣れた。』

次の「~を楽しみに待つ」は、それが頭の中で繰り返しグルグルする訳ですから反復で ~ing 、「~するのに反対する」は逃避なのでやっぱり ~ing がくるわけです。

◆ look forward to ~ing 『~を楽しみに待つ』
◆ object to ~ing
= be opposed to ~ing 『~するのに反対する』
I'm looking forward to seeing you again.
『あなたにまたお会いするのを楽しみにしています。』
Kenji objected to building a new house in Sapporo.
Kenji was opposed to building a new house in Sapporo.
『健二は、札幌に新しい家建てることに反対した。』

動名詞の重要表現その4 to ~ing(2)

次の表現のポイントは、前置詞の「 to 」です。イメージは、~に向かう【方向】又は【~に対して】になります。
when it comes to ~ing 『~することになると』
この表現の場合、「 it(話題)が to 以下の方向に comes やってくる」わけですから、 to は方向。だから ~ing になります
■ When it comes to swimming, nobody can swim like Tom.
『水泳のこととなると、トムの右に出るものは誰もいない。』
come close to ~ing『もう少しで~するところ』
= come near to ~ing 
これもまったく同じで come to ですから to の方に向かう方向、だから ~ing 。~ing に向かって近づいてきている、なので「もう少しで~するところ」なんです。
My car came close to running over a cat.
『私の車は、もう少しで猫をひき殺すところだった。』
devote oneself to ~ing『~するのに専念する』
= be devoted to ~ing 
= dedicate oneself to ~ing
= be dedicated to ~ing
これも同じです。oneself「自分自身を」devote 「捧げる」、それじゃあ何に捧げるの?そこで 方向性の前置詞「to」で ~ing 「~することに捧げる」、すなわち「~するにの専念する」という意味になるんです。dedicate も「捧げる」で同じ意味になります。以下例文です。
■ I'm going to devote myself to protecting you・
=I'm going to be devoted protectiing you.
「私は、君を守ることに一生を捧げる」くらいの意味になります。次は、「devote A to B」の A がonself ではないパターンです。
Hanako is now devoting all her time and energy to studying English.
『花子は今、彼女のすべての時間と努力を英語を勉強することに捧げている。』
with a view to ~ing 『~するために』
※「~へ向かう目的をもって」
to(以下の)~ing(~する) a view(眺め、ここでは目的)を with (もって)なので、「~するために」という意味になるんです。
We held a meeting with a view to discussing the problem.
『私たちは、その問題を議論するために会議を開いた。』
What do you say to ~ing? 『~するのはどうですか』
この表現の to は「~に対して」という意味です。~ing (~することに対して)What do you say
(何て言う?)なので、「~するのはどう?」という提案の意味になるんです。これは、ネイティブがけっこう使う表現なので覚えてどんどん使ってみましょう。
What do you say to playing soccer instead of tennis during lunch hour?
『昼休みにテニスじゃなくて、サッカーするのはどうですか?』
以上が動名詞のネイティブ感覚になります。繰り返して見て覚えてくださいね。
【英語文法10・分詞】分詞を使いこなす!形容詞用法やその意味とは?
書店に溢れる、どんな文法書よりもわかりやすい文法解説を目指すシリーズの10回目は、分詞です分詞のポイントはたった3つ。1つ目が中学校で習った「形容詞用法],2つ目が、一番大事な「感情動詞の意味」です。「~ing 」と「 ~ed 」の違いをしっかり押さえる必要があります。3つ目が、付帯状況の with になります。