【英語文法15・冠詞と名詞】the と a の違いや可算名詞、不可算名詞を使いこなす!

英語 文法

英語の基本は文法だ!冠詞と名詞を使いこなそう!

書店に溢れる、どんな文法書よりもわかりやすい文法解説を目指すシリーズの14回目は、冠詞と名詞です。暗記だけに頼らない、英語圏の文化的背景を含めたネイティブ発想で一気に英文法を極めます。ぜひ、英語の学び直しや大学受験の準備に本シリーズをご利用いただければ幸いです。
冠詞と名詞のポイントは、3つあります。ポイントは3つです。①the と a について 、②可算名詞の特徴、③不可算名詞の特徴です。冠詞は極めようとすると日本人には奥が深すぎるのですが、その基本をネイティブ感覚で解説します。

定冠詞 the のネイティブ感覚

定冠詞 the ⇒ 共通認識

その場にいる全員が、「あ~あれね」と言って指をさせるものに付けます。
Do you have the time?

「the time=みんなが共通認識している時間、スマホでも時計でも何でもいいんだけど持ってる」という意味です。ですから「今、何時かわかりますか?」という意訳になります。

Do you have time?
こちらは単純に「ばくぜんとした時間」を単純に持っているかどうかを聞いています。ですから「今、時間ありますか?」という意味です。

[ the 複数形 ] と [ the なし複数形]

① the 複数形 ⇒ 特定集団
② the なし複数形 ⇒ 総称
We're going to invite the Richardsons to dinner.
「私たちは、夕食にリチャードソン一家を招待するつもりです。」
the 複数形で、「その姓で呼ばれるあるグループ全員」意味するので「~一家」などと訳されます。有名なバンド「 the Beatles 」もまさに特定集団なんです。
Lions are dangerous animals.
ライオンとは、危険な動物である。」
the がない単なる複数形なので、ネイティブ感覚としては、ライオンという動物のグループ全体をばくぜんとまとめたイメージになります。 the lions にすると、限られたライオンの一群、特定集団を示すことになるので、ライオン一般を指さなくなります。

不定冠詞 a のネイティブ感覚

冠詞 a, an とは? ⇒ 「ふたの開いた箱」

正確には、「たくさんある中の他とは区別がつく1つのまとまった新しいものを入れる箱」となります。a, an が登場することで「今から新しい1つのまとまりを示す名詞が登場するよ」という予告になるんです。

a, an の意味は ⇒ 1 ですが、それから転じて複数の意味を持つ

1・「あるひとつ」 in a sense「ある意味において」
2・「同じ」 birds of a feather「同じ羽の鳥(同じ種類の鳥)」
3・「~につき」 once a week「1 週間につき 1 回」
4・「いくらか(のカタマリ)」 a few「少し」
【大学入試問題1】不適切なものを1つ選べ。
A:Do you have the time?
B:(  )
1. Yes, Itʼs eleven-thirty.
2. Let me see. Itʼs about eleven-thirty.
3. No, Iʼm sorry. I donʼt have a watch.
4. No, Iʼm sorry, but I have no time to spare.
「何時ですか?」と聞いていますね。簡単ですね。正答は「4」です。
【大学入試問題2】空欄に入る最も適切なものを選びなさい
■ Birds of (  ) feather flock together.
1. a  2. any  3. some  4. the
実は、正答は「1」なんです。この a は1つではなく「同じ」という意味なんです。そして flock together は群動詞で「寄り集まる」という意味です。直訳すると「同じ種類の羽の鳥は、寄り集まる」すなわち「類は友を呼ぶ」ということわざなんです。

可算名詞の特徴

可算名詞のイメージの仕方

①冠詞(a, an, the)、所有格(my, thireなど)がついたり複数形なら
⇒ すべて具体的なイメージ
②①以外の場合
⇒ 目的や習慣、量

次の例文で説明します。

My mother ate (  ) for dessert.
1・ a pineapple  2・ some pineapples  3・ some pineapple
1なら不定冠詞の a で、「パイナップルを1個まるごと食べた」となります。2なら無冠詞・複数形なので、なんと「パイナップルを数個食べた」となり、とんでもない食欲ですね。
3なら、無冠詞でさらに単数形なので pineapple は「量」を表す事になります。ですから「いくらかの量のパイナップルを食べた」となって自然な文になります。
ちょっとした使い方の違いで、こんなにも意味が変わってくるんです。ネイティブに2を入れた文章を聞かせたら、ビックリすること間違いないです。では、次の例です。
①I went to bed at ten yesterday.
②I go to school every day.
①は「10時にベッドに行った。」は誤訳です。bed が無冠詞で単数形なので、今回は「量」ではなく「目的と習慣」です。ベッドに行く目的は寝るためなので「10時に寝た」た正しい訳になるわけです。②も同じですね。「毎日学校に行く」は誤訳です。学校に行く目的はが勉強です。ですから「私は毎日勉強に行く」が正しい訳です。

複数形がある群動詞

①change trains 「電車を乗り換える」
②shake hands with ~ 「~と握手する」
③ Iʼm friends with him. 「私は彼と友達です」 主語が単数でも friends になる
④make friends with ~ 「~と友達になる」
⑤exchange seats 「座席を交換する」
⑥take turns in[at]–ing 「交代で~する」
⑦be on 形容詞 terms with ~ 「~とは 形容詞 の関係だ」
①から⑦まですべて複数形です。それは、ネイティブ感覚として必ず複数だからです。例えば①なら乗り換える前と後の電車で複数、②なら自分の手と相手の手で複数、③なら自分と彼で複数、④なら自分と相手で複数、、、、、全部同じです。しっかり感覚を覚えて使いこなしてくださいね。

可算名詞を大学入試問題で振り返る

【大学入試問題3】空欄に入る最も適切なものを選びなさい
Wash your face before you go out. You have (  ) egg on your chin.

1. an  2. any  3. one  4. some
朝食後、卵焼きでも食べたんでしょう。あごに卵が少し付いてるんです。1と3なら「卵がまるごと1個あごに付いている」となりあり得ません。2も意味的におかしいので、正答は「4」です。無冠詞の egg になるので「量」を意味します。「いくらかの量の卵が付いている」んです。
【大学入試問題4】空欄に入る最も適切なものを選びなさい
He wants to make (  ) with you.
1. a friend  2. friend  3. friends  4. the friend
これは簡単。「3」の複数形です。
【大学入試問題5】空欄に入る最も適切なものを選びなさい
 You must (  ) trains at Ueno Station and take the Yamanote Line to Ikebukuro.
1. ride  2. follow  3. change  4. transform
これも簡単。「3」が正答です。

不可算名詞の特徴

不可算名詞のイメージ ⇒ 具体的な形をイメージできないもの

①目には見えない抽象的なもの
②形のない切っても良いもの
③ひとまとまりのもの
⇒ 数えられません。
順番に見ていきましょう。

目には見えない抽象的なもの

information(情報)/ news(ニュース)/ advice(アドバイス)
room(空間・余地)/ traffic(交通量)/ behavior(行動)
happiness(幸せ)/fun(楽しみ)/ progress(進歩)/ damage(損害)
work(仕事)/ homework(宿題)/ housework(家事)
harm(害)/peace(平和)/love(愛)/joy(喜び)など

形のない切っても良いもの

coffe(コーヒー)/tea(お茶)/milk(ミルク)/gold(金)
air(空気)/water(水)/ sugar(砂糖)/ butter(バター)/
bread(パン)/ chalk(チョーク)/paper(紙)など

元々ひとまとまりのもの

furniture 「家具」baggage / luggage 「荷物」
・mail 「郵便物」・money 「お金」
・equipment 「設備」・clothing「衣類」
・jewelry「宝石」・music「音楽」
・food「食べ物」・poetry「詩」など
furniture は、タンスや机など、いろいろな種類の家具の総称です。英語では1つ2つと数えることのできない名詞として扱われます。他も同様です。

不可算名詞を数える場合

形や容器、単位などで数えることが可能
a piece of paper、a slice of bread、a bottle of milk、
a cup of coffe、two spoonfuls of sugar
a piece of furniture 、two pieces furniture
a piece of advie、two pieces advice
可算名詞と不可算名詞の両方ありの名詞
例1 work 「不可算なら⇒仕事」「可算なら⇒作品」
例2 paper 「不可算なら⇒紙」「可算なら⇒新聞紙、論文、レポート」

不可算名詞を大学入試問題で振り返る

【大学入試問題6】空欄に入る最も適切なものを選びなさい
 John gained (  ) useful information from this book.

1. a  2. few  3. much  4. many
information は、数えられないので正答は「3」です。
【大学入試問題7】空欄に入る最も適切なものを選びなさい
  My friend gave me (  ) about purchasing land.
1. an advice  2. a piece of advice
3. advices  4. many advice
選択肢の advice は、数えられない不可算名詞です。ですから、1,3,4はあり得ません。正答は「2」ですね。
【大学入試問題8】空欄に入る最も適切なものを選びなさい
  We donʼt have (  ) tonight.
1. many homeworks  2. many homework
3. much homeworks  4. much homework
homework も不可算名詞です。1,2,3はあり得ないので正答は「4」です。
【大学入試問題9】空欄に入る最も適切なものを選びなさい
 His new apartment was comfortably decorated with (  ) .

1. few furniture  2. a lot of furniture
3. many furnitures  4. several furnitures
furniture も不可算名詞です。1は意味的におかしいですね。3、4は複数なのでダメ。正答は「2」です。a lot of や some は可算、不可算両方に使えます。
【大学入試問題10】空欄に入る最も適切なものを選びなさい
  Could we have more (  ) here, please?
1. cup of coffee  2. cups of coffee
3. cup of coffees  4. cups of coffees
coffee は不可算名詞。1は、a が抜けています。3と4は複数形なので間違い。正答は「2」ですね。