英語の基本は文法だ!仮定法を使いこなそう!2回目
今回の1番のポイントは、If なし仮定法です。主節に would 、could を使いながら、 If 節を副詞句や副詞、名詞などで簡略化して代用していくパターンになります!
If 節だと、SとかVとかが必要になってくるので、それだと面倒なので簡単にするわけです。究極なのがIf 節が消滅!なんてのもあります。覚えると簡単に妄想できるようになりますよ!
if のない仮定法でどんどん妄想しよう!
仮定法・If 節 ⇒ 副詞句や副詞へ
①with/without(but for)+名詞(~があれば、~がなければ)
②otherwise(の1語で代用、もし~でなければ)
もちろん、主節が would+原形なら「仮定法過去」現在、would+have+p.p.なら「仮定法過去完了」なので過去の意味になります。
次の例文は、主節がwould 原形 なので現在の事ですね。
■Without dreams, our lives would have no meaning.
『夢がなければ、人生には意味がなくなるだろう。』
『夢がなければ、人生には意味がなくなるだろう。』
次は、主節が「would have p.p.」なので過去の事を説明しています。
■With your advice, he would not have failed in business.
『あなたの助言があれば、彼は仕事で失敗しなかっただろう。
『あなたの助言があれば、彼は仕事で失敗しなかっただろう。
大学入試問題で if なし仮定法を見てみましょう。
【大学入試問題1】空欄に入る最も適切なものを選べ。
■ ( ) your financial help, we wouldnʼt be able to carry out our plan.
1. Except 2. Instead of 3. Thanks to 4. Without
■ ( ) your financial help, we wouldnʼt be able to carry out our plan.
1. Except 2. Instead of 3. Thanks to 4. Without
主節を見ると wouldn't があるので、仮定法かな?と見通しをもちます。4.Without があるので、Ifなし仮定法で決まりです。正答は「4」です。
【大学入試問題2】空欄に入る最も適切なものを選べ。
■ Without Chinese influence, Japanese culture ( ) what it is today.
1. are not 2. had not been 3. were not 4. would not be
■ Without Chinese influence, Japanese culture ( ) what it is today.
1. are not 2. had not been 3. were not 4. would not be
Without があるので if なし仮定法を予想して would を探します。4.would not be があります。意味も通るので正答は「4」ですね。
次に、If節を1語で代用するのが Otherwise(もし~でなければ)です。
【大学入試問題3】空欄に入る最も適切なものを選べ。
■ I was very tired. Otherwise, I( )to the party with you last night.
『私はとても疲れてた。もしそうでなかったら、昨晩あのパーティーに行っていただろう。』1. had gone 2. went 3. would go 4. would have gone
■ I was very tired. Otherwise, I( )to the party with you last night.
『私はとても疲れてた。もしそうでなかったら、昨晩あのパーティーに行っていただろう。』1. had gone 2. went 3. would go 4. would have gone
Otherwise が置かれているので仮定法と考えます。さらに、主節の last night(昨晩)から過去の話と分かります。ですから主節には、仮定法過去完了の「would have p.p.」がくるので「4」が正答になります。
仮定法・If 節 ⇒ 名詞へ
① If S 過去形, S would 原形(仮定法過去:現在の妄想)の【If S 過去形, S】
② If S had p.p., S would have p.p.(仮定法過去完了:過去の妄想)の【If S had p.p., S】を全部ひとまとめにして ⇒ A + 名詞 would~ で代用します。
■ If he was a secret agent, he would never tell you his real name.
『もし諜報員なら、本当に名前を言うことは決してないだろう。』
= A secret agent would never tell you his real name.
『もし諜報員なら、本当に名前を言うことは決してないだろう。』
= A secret agent would never tell you his real name.
Aで「ある一人の」諜報員を考えてごらん、もしそうだったら would never tell(決して言わないだろう)といった意味が出てくるんです。
【大学入試問題4】空欄に入る最も適切な語を答えよ。
■ A wise man would not do such a thing.
= ( ) he were a wise man, he would not do such a thing.
■ A wise man would not do such a thing.
= ( ) he were a wise man, he would not do such a thing.
would で仮定法を考えます。「もし賢い男なならそんなことはしないだろう」仮定法過去ですね。正答は「If」ですね。
【大学入試問題5】日本文に合うように[ ]内の語句を並べかえよ。
「木の葉一枚が落ちてきても聞こえるほど静かな夜でした。」
The night was so quiet that even [ fall / to / have / leaf / might / a /
been / heard ].
「木の葉一枚が落ちてきても聞こえるほど静かな夜でした。」
The night was so quiet that even [ fall / to / have / leaf / might / a /
been / heard ].
so that 構文なので、「その夜はとても静かだったので that 以下」となります。後半部分に「もし木の葉一枚が落ちてきても」という妄想がきているので、仮定法過去完了を使うことになります。でも if や with といったキーワードがありません。しかし「A+名詞」が使えそうです。「a leaf might have been heard to fall」が正答です。助動詞は would だけでなく、助動詞なら何でもOKでしたね。
仮定法・If 節 ⇒ 一気に消滅してしまう形
もっと簡単に妄想してみましょう!
「もしイケメンだったら、あの子に告白するのに」とう妄想の場合、イケメンであることも大事ですが、その人が1番言いたいのは「告白するのに」すなわち「告白したい」という部分ですよね。
ですから「もし~」という If 節そのものをすっ飛ばして、主節で言いたいことだけ言うのが次のパターンです。もちろん主節には would(助動詞の過去形) を使いますよ。
■She would have loved to come but she couldn't get the time off.
『もし都合がついたなら彼女は来ることを熱望していただろうに。しかし彼女は休みを取ることが出来なかった。』
『もし都合がついたなら彼女は来ることを熱望していただろうに。しかし彼女は休みを取ることが出来なかった。』
If 節が消滅しています。主節の would have loved で仮定法過去完了「過去の妄想」ですね。訳のカッコ内の「もし~」を省略して主節から始めている訳です。but 以下の couldn't は、仮定法ではなくて単なる過去形で「できなかった」となります。
仮定法の慣用表現も覚えてしっかり妄想しよう!
最後に、いくつかの慣用表現を覚えましょう。オマケみたいなものなので、安心してください。
有名な I wish~.「~ならなあ」という妄想表現
ちなみに似た言葉に hope がありますが、こちらはあり得ることを願います。今回の wish は、あり得ない「むなしい妄想」ですので、hope とまったく違うとまず押さえてくださいね。
ちなみに、あり得るかあり得ないかは本人の主観になります。例えば5才の女の子が、プリキュアになりたいと hope (あり得ると)することはあっても、まさか大人が hope するはずがありません。大人なら、 wish(あり得ないむなしい妄想) を使うことになるわけです。
そして1番のポイントは「過去関連」を使うこと。動詞の過去形、助動詞の過去形を使うんです。具体的に見て見ましょう。
パターン1・今のむなしい妄想(仮定法過去)ならこれ!
◆ I wish S+過去形『今~ならなあ。』
( I wish S+could+原形『今~できればなあ』(can の意味を含む))
■ I wish New York were close to Sapporo.
『ニューヨークがもっと札幌に近ければいいのに。』
『ニューヨークがもっと札幌に近ければいいのに。』
ニューヨーク出身者のネイティブが今札幌にいるんです。でもニューヨークと札幌が近いなんてまさにむなしい妄想。ホームシックにでもなってるんでしょうか?だから、wish なんですね。
■ I wish I could get rid of this headache.
『この頭痛が治ったらなあ(取り除くことができればなあ)』
※ get rid of~(~を取り除く)
『この頭痛が治ったらなあ(取り除くことができればなあ)』
※ get rid of~(~を取り除く)
本人は、頭痛を取り除くことができないと分かっています。でも痛くてつらくて、「なんとかならないかなあ」というむなしい妄想表現になるわけです。
【大学入試問題6】空欄に入る最も適切なものを選べ。
■ I wish I ( ) her telephone number.
1.know 2.knew 3.will know 4.known
■ I wish I ( ) her telephone number.
1.know 2.knew 3.will know 4.known
wish があるので、すぐわかりますね。「2」が正答です。
パターン2・昔に対するむなしい妄想(仮定法過去完了)
◆ I wish S had p.p.『あのとき~だったらなあ』
( I wish S could have p.p.『あのとき~できたらなあ』)
■ Looking back, I wish I had studied harder.
『今振り返ると、もっと勉強しておけばよかったなあ。』
『今振り返ると、もっと勉強しておけばよかったなあ。』
あるあるですね。過去に戻るなんてあり得ません。「もっとたくさん勉強して、たくさん資格をとっていたら、もっと給料がよかったのになあ、、」なんてむなしい妄想でしょう。
【大学入試問題7】空欄に入る最も適切なものを選べ。
■ John says last nightʼs concert was fabulous. I wish I ( ) there with
him then.
1. could gone 2. had been 3. should go 4. were
■ John says last nightʼs concert was fabulous. I wish I ( ) there with
him then.
1. could gone 2. had been 3. should go 4. were
1と3はあり得ません。昨晩のコンサートに対する過去の妄想なので、had + p.p. 又は could have p.p. のどちらかになります。正答は「2」ですね。
パターン3・未来に対するむなしい妄想(仮定法過去で will を使う~)
◆ I wish S would 原形『これから~ならなあ』
■ I wish they would stop making noise.
『彼らが騒音を出すのをやめてくれればいいんだが。』
『彼らが騒音を出すのをやめてくれればいいんだが。』
騒音を出している彼らが、止めるとは思っていません。しかし、うるさくて眠れないわけで、むなしく「止めてくれればいいんだが」と未来に対するむなしい願望を表しているわけです。
I wish~ の同意表現を覚えよう!
文法書などを見ると、微妙に違う意味で説明されたりしてますが、「同意」で問題ありません。変な意味で覚えると混乱します。
① How I wish ~ (Howは単なる強調)
② If only~
③ I'd(I would) rather~(遠回しな依頼表現として)
※3つとも I wish ~ と同じ意味『~ならなあ』。後ろも全部同じです!
■ If only she were here!
『彼女が今ここにいてくれたらなあ。』
■ I'd rather you didn't.
『しないでくれたらなあ。(しないでいただきたいです。)』
■If only I had taken his advice.
『彼の助言を受け入れていたらなあ。』
『彼女が今ここにいてくれたらなあ。』
■ I'd rather you didn't.
『しないでくれたらなあ。(しないでいただきたいです。)』
■If only I had taken his advice.
『彼の助言を受け入れていたらなあ。』
without ~(もし~がなければ)のバリエーションを覚えよう!
① but for~
② If it were not for~【仮定法過去:今の妄想】
(=Were it not for) If の省略による倒置
③ If it had not been for~【仮定法過去完了:過去の妄想】
(Had it not been for~) If の省略による倒置
※すべてwithout~と同じ意味です。『もし~がなければ』
次は仮定法過去で、今のことを話しています。
■But for dreams,our life would have no meaning.
『もし夢がなければ、私たちの人生に意味はないだろう。』
『もし夢がなければ、私たちの人生に意味はないだろう。』
倒置による if の省略パターンがこれ。
■Were it not for music, our life would be boring.
『もし音楽がなければ、私たちの人生は退屈だろう。』
『もし音楽がなければ、私たちの人生は退屈だろう。』
次も倒置パターンで、さらに仮定法過去完了で過去の話ですね。
■Had it not been for the bad weather, the picnic would have gone well.
『もし天気が悪くなければ、ピクニックはうまくいっていただろうに。』
『もし天気が悪くなければ、ピクニックはうまくいっていただろうに。』
【大学入試問題8】下線部に最も近い意味を表すものはどれか。
■ But for your help, I would not have succeeded.
1. Owing to 2. Due to 3. With 4. Without
■ But for your help, I would not have succeeded.
1. Owing to 2. Due to 3. With 4. Without
はい、「4」ですね。
【大学入試問題9】空欄に入る最も適切なものを選べ。
■ I do not know how I would relieve my stress, ( ) for music.
1. other than 2. unless 3. were it not 4. without
■ I do not know how I would relieve my stress, ( ) for music.
1. other than 2. unless 3. were it not 4. without
would があるので仮定法を考えます。4を選びそうになりますが、without for はあり得ません。
答えは if it were not for の if の省略により倒置した形になる were it not for がここに入ります。正答は「3」ですね。これ難しいです。
It is time S 過去形(もう~する時間だ)
●It is about (high) time S 過去形
※timeに『もうそろそろ』の意味の about, high を付けることが多いです。
※『(実際は違うけど)今はもう~する時間だ。』という意味の仮定法過去です。
■ It's time you bought a new car.
『もう新しい車を買っていい時期だよ。』
『もう新しい車を買っていい時期だよ。』
ずっと古い車に乗り続けているんだけど、もう買った方が(現在の反対)いいんじゃない、といった意味になります。なので(助動詞は使わず)必ず過去形を使ってください。
【大学入試問題10】空欄に入る最も適切なものを選べ。
■ It is high time you ( ) to bed.
1. gone 2. to go 3. are going 4. went
■ It is high time you ( ) to bed.
1. gone 2. to go 3. are going 4. went
簡単ですね。正答は「4」です。
as if~(まるで~のように)の使い方
【 S V as if s v 】の中で
① V と v が【同時制】なら ⇒ v は【過去形】
② V より v が【一つ前の時制】なら ⇒ v は【had+p.p.】
※ V が現在形でも過去形でも関わりありません。
■She talks as if she were an expert in economics.
『彼女はまるで経済学の専門家のように話します。』
『彼女はまるで経済学の専門家のように話します。』
現在の事実に反する妄想ですね。だから仮定法過去になります。
■You look as if you had seen a ghost.
『あなたはまるで、お化けでも見たかのような表情だよ。』
『あなたはまるで、お化けでも見たかのような表情だよ。』
実際にお化けを見たわけではなく、「見たかのように」という過去の事実に反する妄想なので、仮定法過去完了になるわけです。
【大学入試問題10】空欄に入る最も適切なものを選べ。
■ He speaks as if he ( ) everything.
1. to know 2. knew 3. known 4. knowing
■ He speaks as if he ( ) everything.
1. to know 2. knew 3. known 4. knowing
過去形の「 knew 」か had p.p. の「 had known 」のどちらかで、正答は「2」です。「彼は、まるですべてを知っているかのように話す」となり、現在の事実に反する妄想になります。
as if のいろいろな使い方も覚えよう!
①上記の例文のように、look などの補語になれます。
S look as if ~『Sはまるで~のように見える』を覚えましょう。
② as if の後に to 原形(不定詞)を置いてもよいです。
as if to ~ 『まるで~するように』
③as ... as if ~
『まるで~するのと同じように...だ。』
④ as if ~ = as though ~
■ His guest suddenly stood up as if to leave.
『彼の客は、まるで立ち去ろうとするかのように突然立ち上がった。』
『彼の客は、まるで立ち去ろうとするかのように突然立ち上がった。』
■ He speaks Chinese as fluently as if he were a native.
『彼は、まるでネイティブと同じように上手に中国語を話します。』
『彼は、まるでネイティブと同じように上手に中国語を話します。』
【英語文法5・助動詞1】助動詞を自由に使いこなそう!キモは動作系と予想系!
書店に溢れる、どんな文法書よりもわかりやすい文法解説を目指すシリーズの5回目は、助動詞の1回目です。助動詞を使いこなすにはポイントは、助動詞には2つの意味があることを理解することです。それは動作系と予想形の2つなんです。特に予想系をしっかり使いこなせるかどうかが、助動詞のキモになります。