【英語文法2・完了形】完了形とは?現在過去未来につながる完了形とは?

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英語の基本は文法だ!完了形を使いこなしてみよう!

書店に溢れる、どんな文法書よりもわかりやすい文法解説を目指すシリーズの2回目です。暗記だけに頼らない、英語圏の文化的背景を含めたネイティブ発想で一気に英文法を極めます。ぜひ英語の学び直しや、大学受験の準備に本シリーズをご利用いただければ幸いです。

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完了形は日本語にない表現なので、日本語では考えずに「過去から~現在~未来へつながる時間軸」のイメージで考えることが使いこなす第一歩です!とにかく、日本語で考えてはダメです!

例えば、現在完了のイメージがこれです。ここにスポットが当たります。

現在完了は、「過去のどこから始まって、その結果現在こんな状態だよ」といういわゆる「経験値」を表す時制になります。

現在完了は、「過去+現在形」だ!

「have + p.p.」の形を「現在完了」といいます。

p.p.は、Past participle(過去分詞)の略です。この形「have + p.p.」ですが、p.p.(過去のこと)をhave(持っている)という表現です。従来の文法書には、次の3つの意味をもつと書いてあります。

①継続 (過去のどこからか)今までずっと~している。
We have lived in this house since 1992.
『私たちは、1992年からこの家に住んでいます。』
※ただ、ここで使える動詞は「状態動詞」のみ。後で説明あり。
②完了・結果 (過去から始めて)ちょうど今~したところだ。
I have just finished my homework.
『今ちょうど宿題をやり終えたところ。』
③経験 (過去から)今までに~した経験がある。
I have visited London three times.
『私は3度、ロンドンを訪れたことがある。』
しかし、ネイティブがいちいちこんなことを考えている訳がありません。それに実際には、①~③をきれいに切り分けることも出来ません。
①~③が混沌とまざっているのが「現在完了」ととらえるのがネイティブ感覚です。

「現在完了進行形」と「現在完了形」との違いは何?

ネイティブ感覚では、「継続」を表現したいときに現在完了進行形を使います。

継続の意味を出すときには【have been ~ing】現在完了進行形!英会話で継続ならこの表現ってことですね。

3秒ごとに中断再開できる「動作動詞」であれば「~ing」にできるので、この形を使うわけです。

※動作動詞と状態動詞についいては、こちらの記事をご覧下さい)

【英語文法1・現在形】現在形や現在進行形の本当の意味を知ってますか?
書店に溢れる、どんな文法書よりもわかりやすい文法解説を目指すシリーズの1回目は現在形です。暗記だけに頼らない、英語圏の文化的背景を含めたネイティブ発想で一気に英文法を極めます。ぜひ英語の学び直しや、大学受験の準備に本シリーズをご利用いただければ幸いです。

ところが、もう一方の「状態動詞」は「~ing」にできないので、この形が使えません。

そこでやむなく、

状態動詞で「継続」の意味にするときには、【have +p.p.】の通常の現在完了で代用する、これが先ほど出てきた現在完了の継続用法のネイティブ感覚なんです。

学校で習った、forやsinceがあれば継続用法なんてのはウソだったんです。

継続用法(現在完了進行形、現在完了)のまとめ

現在完了進行形、又は現在完了を使って継続表現を使うネイティブ感覚をまとめると、次のようになります。

今まで続けてきたし、これからも続けてやること
なので
今まで続けていたけど、まだ終わっていないこと
言い方を変えると
現在まだ完了していなくて進行中のこと

①~③を表現するときに使う形なんです。時間の長さは関係ありません。10分であろううと、1時間であろうと、10年であろうと、過去も現在も未来もやっていることを表現するときに使います。

I have lived in Sapporo for five years.
『私は5年間、札幌に住んでいます。(これからもずっと住んでいます)』

liveは状態動詞で~ing にできないので、通常の現在完了形「have+p.p.p」で継続を表現します。

I have been studying English for five years.
『私は5年間、英語を勉強しています。(これからも続けます)』

studyは動作動詞なので、「have+been+~ing」で継続を表現します。

I have studied English for five years.

じゃあ、上の例文のように動作動詞で「have+p.p.」ならどうでしょう。結論はこれも「あり」です。つまり「継続」ではないということなんです。なので、「完了」か「経験」になる訳ですね。「今は忘れちゃったけど、5年間勉強してたんだよ!」なんていうニュアンスです。

現在完了形とともに使う事の出来る表現いろいろ

Have you written a letter to him this month?
『今月、彼に手紙を書きましたか?』
・before 『以前に』
・ever 『今までに』
・lately 『最近』
・just 『ちょうど今』
・now 『今』
・today 『今日』
・recently 『最近』
・so far 『今までのところ』
・this week 『今週』
・this month 『今月』
・this year 『今年』
・for the last ~ days 『ここ~日』
・for~ 『~の間』
・since~ 『~以来』

など、いろいろ使える表現がありますので覚えておくと会話が楽になります。

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過去完了は、「大過去(その過去よりもっと前)+過去形」だ!

これが過去完了のイメージです。

「大過去から始まって過去につながっているよ」という時制になります。ある過去の1点までの経験値になります。
そして「had + p.p.」の形を「過去完了」といいます。

この形「had + p.p.」ですが、p.p.(ある過去の一点より過去のこと)を had(ある過去の一点で持っていた)という表現です。現在完了と同じように、従来の文法書には次の3つの意味をもつと書いてあります。

①継続 (過去のある一点まで)ずっと~していた。
They had known each other for five years  / when they got married.
『彼らが結婚した時、彼らは互いを知り合ってから5年経っていた。』

ある過去の一点で彼らは結婚しました。知り合ったのはいつですか?結婚後ではありませんね。結婚する前に決まってます。だから過去完了形です!

Mr. Tanaka had been president for five years / before he passed away.
『田中さんは亡くなるまで、5年間社長を務めた。』

ある過去の一点で田中さんはなくなりました。社長を務めたのはどこですか?亡くなった後じゃありませんね。亡くなる前に決まってます。なので過去完了形です。

②完了・結果 (過去のある一点で)すでに~し終わっていた。
The game had already begun/ when we arrived at the stadium.
『私たちが競技場に着いた時、すでに試合は始まっていた。』

ある過去の一点で競技場に着きました。試合はその前にすでに始まっていたんですよね。だから、過去完了形です!

③経験 (ある過去の一点までに)~した経験があった。
■I had never spoken to a foreigner befor I was eighteen years old.
『18才まで、私は一度も外国人と話したことがなかった。』

18才という過去の一点があり、その前に外国人と話したことがなかったんですよね。だから過去完了形というわけです。

未来完了は、「過去のどこか+未来形」だ!

未来完了のイメージが、これになります。
「現在又は過去のどこからか始まって未来につながっているよ」という時制になります。未来のどこかでの予想される経験値ですね。
ですから「will + have + p.p.」の形を「未来完了形」といいます。
この形「will + have + p.p.」ですが、未来のある一点でp.p.(過去のことを)を have(持っている)will(だろう)という表現です。やはり、次の3つの意味をもちます。
①継続 (未来のある一点まで)ずっと~しているだろう。
■I will have been in hospital for three months next Sunday.
『今度の日曜日で、3ヶ月入院していることになる。』

次の日曜日という未来の一点で、3ヶ月入院していたという継続した過去の事実をもっているだろう、ということですので未来完了形になります。

②完了・結果 (未来のある一点で)ちょうど~したところだろう。
■I will have finished it by five.
『5時までに、それを終えてしまっているだろう。』

5時という未来の一点でまでに、終えたという事実をもっているだろうという予測ですので、未来完了形になります。

③経験 (未来のある一点までに)~する経験があるだろう。
■I will have seen the musical  four times If I see it once more.
『もう一回見たら、私はそのミュージカルを4回見たことになる。』

それをもう一回見るという未来の一点の段階で、4回という経験があるだろうことを予測していますので、未来完了形になります。

じゃあ、過去形ってどこ?

「完了形」たちは時間軸上で「線」でしたが、「過去形」は「点」になります。ですから、過去形のイメージは、これになります。
過去のどこかの1点、昔撮った写真を見ているイメージです。これが完了形との違いなんです。
それでは、大学の入試問題で完了形を振り返ってみましょう。
【大学入試問題1】空欄に入る最も適切なものを選びなさい。
Mr. Brady (      ) president for five years before he passed away.
1. has been 2. had been
3. would be 4. was being
passed away「彼が亡くなった」なので「過去」の話ですね。しかもその前に「 for five years 」ですから「5年間ミスターブレディは継続して社長をしていた」わけですから、過去完了で決まりです。ですから答えは「had + p.p.」の「3」になるわけです。
【大学入試問題2】空欄に入る最も適切なものを選びなさい。
I didnʼt see her when I arrived at the restaurant. She (      ) home.
1. was leaving and going
2. will leave and go

3. had left and gone
4. leaves and goes
「私がそのレストランに到着した時、彼女を見なかった」のですからやっぱり「過去」の話です。その時点で、彼女はすでに帰ってしまっているわけですから、やっぱり過去完了で決まり。答えは「had + p.p.」の「3」になります。
【大学入試問題3】空欄に入る最も適切なものを選びなさい。
By next August Cyndy (       ) the violin for five years.
1. will learn
2. has learned

3. will be learning
4. will have been learning

「次の8月で、シンディーはバイオリンを始めて5年になる」わけですから、5年前という遠い過去から次の8月という未来へと続く未来完了が答えです!答えは「will+have+ p.p.」の「4」になるわけです。

【大学入試問題4日本文の意味になるように、語句を正しく並べかえよ。
あさってには彼はその仕事を終えてしまっているだろう。」
He [ after tomorrow / the work / will / the day / have done / by ].
「あさって」ですから未来の話ですね。その未来に向かって彼は仕事を続けるわけですから、これも未来完了。「will+have+ p.p.」です。答えは「He will have done the work by the day after tomorrow.」になります。
【大学入試問題5空欄に入る最も適切なものを選びなさい。
■ He (      ) here for more than 8 years now.
1. has lived 2. had lived 3. lives 4. is living

ポイントは、「now」です。「今」8年以上もの間ここに住み続けているんですから現在完了「have + p.p.」で決まり!答えは「1」です。

【大学入試問題6空欄に入る最も適切なものを選びなさい。
Ana, why donʼt you take some time off? You (      ) too hard lately.
1. would work 2. had worked
3. should have worked 4. have been working

ポイントは「lately(最近)」です。「最近」とは「少し前から現在までの間」です。まさに「過去から始まって現在につながる」現在完了のイメージです。ですから「have + p.p.」の「4」が答えになります。

【大学入試問題7日本文の意味になるように、語句を正しく並べかえよ。
「彼女とはかなり長い間会ってません。」
■ [ saw / I / ages / didnʼt / her / havenʼt / seen / for ]. (※2語は使いません)
今に至るまでずっと彼女に会ってないわけですから、現在完了の「have + p.p.」です。ですから並べかえると「 I haven't seen her for ages. 」( saw, didn't が不要)となります。

英語の基本は文法だ!完了形の慣用表現を覚えよう!

みなさんが、以外と使えないのがいわゆる完了形の慣用表現です。覚えてしまえば、とっても簡単なのでぜひ使えるようになってくださいね。

完了形の慣用表現1「~してから【年月】が経ちます」の3パターン!

since 以下は全部同じで3パターンを覚えましょう。
It has been 年月 since S V (過去形).
『~してから~の年月が経ちます。』
■It has been four years since we became friends.
『私たちは、友人になって4年になる。』
since(過去のある一点以来)なのでsinceは、It(時がhas been 年月(~の年月が経ちます)という現在完了形と相性がいいんです。(It has ⇒ It's と短縮されることが多いです。)
It is 年月 since S V (過去形).
『~してから~の年月が経ちます。』
■It is four years since we became friends.
『私たちは、友人になって4年になる。』
本当は has been が正しい用法なんです。ところが文法を知らないネイティブが勝手に簡略化して、have been でなくて is にしてしまったのがこれ。それが一般化してしまい、今や普通に使われているため、大学の入試問題にも出るようになりました。
③ 年月 have passed since S V(過去形).
『~してから~の年月が経ちます。』
■Four years have passed since we became friends.
『私たちは、友人になって4年になる。』
3つとも同じ意味ですね。大学入試などで、よく言い換え表現として出題されます。

完了形の慣用表現2「~年前に亡くなった」

■He died two years ago
単純な過去形『彼は2年前に亡くなった。』
He has been dead for two years.
実は、現在完了形で言い換え可能!
これを直訳すると「彼は4年間ずっと死んでいる」となって変な日本語になってしまうので、通常は「彼は4年前に亡くなった」と意訳することになります。
しかし「ずっと死んでいる」という表現は、実は英語圏のネイティブにとっては当たり前の感覚なんです。
英語圏の生死感は、死んでしまうと「魂」は体から離れて「天国又は地獄」へ、「体」は埋葬されてお墓の下でまさに「ずっと死んでいる」状態になります。腐ってしまったり、ミイラ化したりしているかもしれませんが、そこに存在しているからです。
だから、主語の He の本当の意味は His body なんです。なので、こんな言い換え表現が可能なんですね。日本では火葬されてしまうので、きっとこういう感覚がないんだと思います。まさに文化の違いですね。

完了形の慣用表現3「have been to~ と have gone to~ 」

 have been to~
【完了】~へ行ってきたところだ
Have you been to the barbershop?
『床屋に行ってきたの?』
【経験】~へ行ったことがある
I have been to India.
『インドに行ったことがある。』
ここでのポイントは、be 動詞です。どちらも、to~ に存在していた(been)という事で、ここから完了や経験の意味が出てくるんです。
「動物園に行ってきた」とか「動物園に行ったことがある」とか、そんな完了や経験をもっている自分が今ここにいる、そんなイメージです。
「行った」という日本語から、go をイメージする人が多いのですが、go を使うと次のイメージになってしまいます。完了や経験ではなく、結果になってしまうんです。
 have gone to~
【結果】~へ行ってしまった(ここにはもういない)
My son has gone to America to study medicine.
『息子は医学の勉強にアメリカに行った。(今はここにいない)』

実は go と言う単語は、「何かが悪い方向に進む」というイメージをもっています。例えば「行ってしまった」「はなれてしまった」そして「いなくなってしまった」そんな感じです。

例えば、go bad(腐る)、go bankrupt(倒産する)、go mad(気が狂う)、go blind(失明する) 、go out of data(時代遅れになる)など、正常だったものが悪い状態になるときに使われるんです。

完了形の慣用表現で注意が必要な3パターンでした。しっかり覚えて、英会話などに役立ててくださいね。

では大学の入試問題で、慣用表現を振り返ってみましょう。

【大学入試問題8空欄に入る最も適切なものを選びなさい。
It has (       ) thirty years since my best friend, Rita, and I met in the elementary school.
1. been 2. left 3. passed 4. taken

これは見た瞬間に答えが分かりますね。「It has been ~ since ~」の形なので、答えは「1」です。

【大学入試問題9次の①と②がほぼ同じ意味になるための、空欄ア~ウに最も適切な 1 語は何か答えよ。ただし,省略形を使ってはいけない。
It has been twenty-two years since my mother died.
② Twenty-two years(ア)(イ)(ウ) my mother died.

書き換え問題ですね。「年月 have passed since SV(過去形)」の形にすればよいので、( have )( passed )( since ) が答えになります。

【大学入試問題10 空欄に入る最も適切なものを選びなさい。
Her father (     ) for two years.
1. has been dead 2. has died
3. has dyed 4. is dead

for two years(2年間)があるので、has been dead の形になり答えは「1」ですね。

【大学入試問題11 空欄に入る最も適切なものを選びなさい。
I have just (      ) to Sapporo Station to see my boyfriend off.
1. go 2. visited 3. going
4. went 5. been
「私は、ちょうどボーイフレンドを札幌駅に見送りに行ってきたところだ」と完了の意味になるので、答えは「5」の been ですね。
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